この記事は2023年12月に訪れた際の旅行記です。
タリンとは
タリンはエストニアの首都で、バルト海を隔ててフィンランドと向かい合う歴史都市です。
中世の面影を色濃く残す美しい街並みが広がる旧市街は、ユネスコ世界遺産に登録されており、石畳の道や古い塔がそびえる雰囲気が人気です。
エストニアはフィンランドからもアクセスが良く、ヘルシンキからフェリーで日帰りで訪れる旅行者も多く、日帰りで中世ヨーロッパの雰囲気を気軽に味わうことができます。
アクセス
ヘルシンキからタリンまではフェリーで約2時間です。
タリンクシリヤラインやヴァイキングラインなど複数のフェリー会社が運航しており、往復チケットは通常40€~50€ほどです。
朝に出発し、夜に戻るスケジュールが可能なため、日帰りで気軽に訪れることができます。
私は公式サイトよりもGet your guideのが安かったので、Get your guideで予約しました。
料金は36€で、7:30にヘルシンキを出発し、タリンを19:30に出発する便にしました。
フェリー内は綺麗でWi-Fiもあります。
また、レストランやカフェ、免税店もあり船旅を楽しみながらタリンに向かうことができます。
見どころ
市庁舎広場周辺(Raekoja plats)
市庁舎広場はタリン観光の中心地です。
中世からの面影を色濃く残す市庁舎広場は、多くの歴史的建物とカフェで賑わい、特にクリスマスシーズンには美しいマーケットが並びます。
タリン市庁舎
14世紀に建てられた中世の建物で、エストニアに現存する唯一のゴシック様式の市庁舎です。
市庁舎塔に登ることも可能で、料金は7€。
塔の上からの眺めは素晴らしく、旧市街を一望できます。
旧薬局(Town Hall Pharmacy)
1422年創業の薬局で、現在も営業しています。
ここでは、古代の薬剤や伝統的な治療法に関する展示もあり、中世の薬学に触れることができます。
III Draakon
市庁舎のすぐ近くにある「IIIDraakon」は、まるで中世にタイムスリップしたかのようなレストランです。
コンセプトカフェのような雰囲気で、店員さんの接客も中世の世界観を楽しめます。
野菜スープやエストニア名物の肉パイが味わえます。
暖炉のそばで温かい食事を楽しみながら、広場の景色を眺めてみてください。
聖霊教会(Püha Vaimu kogudus)
14世紀に建てられた小さな教会で、外観の時計台が特徴です。
教会内部にはエストニア最古の木彫りの祭壇があり、見学料は2€です。
中世の芸術と歴史をじっくり味わえます。
ツーリストインフォメーション
旧市街にあるツーリストインフォメーションでは、日本語の観光マップを無料で入手できます。
観光スポットの位置や散策ルートが分かりやすく、日本人観光客には嬉しいサービスです。
このマップにはタリンカードが使える施設も載っています。
ピック通り(Pikk Street)周辺
ピック通りは、旧市街の中心部を横断するように走り、タリンの商人街として栄えたエリアです。
のぞき見トム(Reichmann House)
ユニークな建物から壁に取り付けられた彫像「のぞき見トム」が覗いています。
実在する人物で、通りの向かいに住んでいた女性をいつものぞいていたと言われています。
写真スポットとして人気です。
ヴァイム通り(Väike-Karja Street / 幽霊通り)
ピック通りとライ通りを結ぶ小道はヴァイム通りと呼ばれています。
ヴァイムとはエストニア語では幽霊を意味し、ガイドブックでは幽霊通りとして紹介されています。
17世紀にこの通りにある家住んでいたオランダ商人が妻を惨殺し、その幽霊が出るよう蜷田ことが名前の由来です。
カタリーナ通り周辺(St. Catherine’s Passage Area)
中世の職人街の面影が色濃く残るエリアで、石畳の細い通りや歴史ある工芸品店が並び、タリンの伝統工芸に触れられるスポットです。
聖カタリーナ通り
聖カタリーナ通りは、石畳とアーチが続く中世の情緒漂う通りで、両側にはガラス工芸や陶器工房などの職人の作業場が並んでいます。
この通りを歩くとまるで中世にタイムスリップしたかのような気分になり、エストニアの伝統文化に触れることができます。
セーターの壁
セーターの壁と呼ばれる場所は、旧市街に並ぶ手編みのセーターやマフラー、帽子などが展示され、エストニアならではの温かみある商品が揃っています。
手編みの温かい衣類は冬のタリン観光のお供にも最適です。
職人たちの中庭
中世の雰囲気を残す職人たちの中庭には、陶芸やガラス細工、絵画などのアトリエが集まっています。
職人たちの技術を間近で見られるだけでなく、オリジナルのアイテムを購入することも可能です。
トームペア地区(Toompea)
旧市街の丘に位置するトームペア地区は、政治と宗教の中心地として発展したエリアで、観光名所が集まっています。
トームペア城
エストニアの歴史を象徴するトームペア城は、13世紀に建てられた古城で、現在はエストニアの国会議事堂として使用されています。
美しいピンク色のファサードが目を引きます。
公式サイトから事前予約制のグループツアーで内部を見学することができます。
トームペア城の脇にそびえる「のっぽのヘルマン」は、エストニアの旗が掲げられた塔で、歴史的なシンボルとして地元の人々に愛されています。
聖マリア教会
トームペア城の近くにはエストニア最古の教会である「聖マリア教会」があり、ステンドグラスや美しい装飾が訪れる人々を魅了します。
アレクサンドル・ネフスキー聖堂
「アレクサンドル・ネフスキー聖堂」はロシア正教の教会で、特に壮麗なドームが特徴です。
聖堂内は豪華な装飾が施され、異国情緒あふれる空間です。
短い脚(Pikk jalg)と長い脚(Lühike jalg)
旧市街とトームペアの丘を結ぶ2つの坂道、「短い脚」と「長い脚」は観光の小さな隠れスポットです。
丘へのアクセスとして利用されるだけでなく、その名前と場所から写真映えするスポットとしても人気です。
短い脚は急斜面で危険なため庶民用の道、緩やかな長い脚は貴族などの支配階層の道として利用されていました。
キーク・イン・デ・キョク(Kiek in de Kök)
市壁にある巨大な砲塔で、内部は博物館として公開されています。
博物館になった今も大砲の玉が壁にめり込んでいます。
入場料は10€で、展望台からは市街の景色が楽しめます。
デンマーク王の庭園
デンマーク王がタリン攻略の際に陣地を築いたことで、デンマーク王の庭園と言われるようになりました。
現在では小さな公園として整備され、観光客の休憩にもぴったり。
パワースポットにもなっており、修道士と手を繋ぐとよいことがあると言われています。
パットクリ展望台
旧市街を一望できるおすすめの展望台です。
パットクリ展望台では、石畳の街並みと塔の尖塔が美しい風景を作り出し、写真スポットとしても人気です。
コフトウッツァ展望台
コフトウッツァ展望台からも、タリン湾まで続く景色を見渡せます。
特に夕暮れ時は、美しい街並みが夕日に照らされる様子がとてもロマンチックで、フォトスポットとしてもおすすめです。
タリン市壁と塔のエリア(Tallinn City Wall & Towers Area)
タリンの防衛の歴史を感じることができる市壁と塔のエリアでは、中世の防衛設備が見学できます。
修道院門(Nunnatorn ja linnamüüri platvorm)
中世の塔と市壁を歩いて回れるエリアで、石造りの階段を登ると、かつての防衛拠点がどう機能していたかを実感できます。
太っちょマルガリータ(Fat Margaret)
旧市街の北側に位置する「太っちょマルガリータ」は、分厚い壁が特徴の城壁塔で、かつては防衛の拠点として利用されていました。
現在はエストニア海洋博物館として、エストニアの海洋史やバルト海の自然が展示されています。入場料は15€です。
カラマヤ(Kalamaja)エリア
カラマヤは旧市街のすぐ北側に広がる地区で、最近ではタリンの新しい観光スポットとして注目されています。
Balti Jaama Turg(バルティ・ジャーマ・トゥルグ)
タリン駅のすぐそばにあるバルティ・ジャーマ・トゥルグは、地元の食材やアンティーク雑貨、手作りの工芸品などが並ぶ市場です。
ローカルの雰囲気が楽しめるこのマーケットは、観光の合間にふらりと立ち寄るのもおすすめ。
カフェやレストランもあるので、休憩にもぴったりです。
かかった費用
- フェリー 36€
- 修道院門 4€
- 聖霊教会 2€
- ⅢDraakon 20€
治安について
タリンは比較的治安が良く、観光エリアでは安全に観光を楽しむことができます。
しかし、夜間や人気の少ないエリアでは念のため注意を払いましょう。
また、観光客が集まる場所ではスリに遭わないよう、所持品には気を配ることが大切です。
まとめ
タリンはコンパクトでありながら多くの歴史的見どころが凝縮された魅力的な街で、ヘルシンキから日帰りで訪れることができます。
中世の雰囲気に浸りながら観光を楽しみ、地元のグルメやクラフト作品など、エストニアらしい文化にも触れることができるでしょう。