この記事は2024年2月に訪れた際の旅行記です。
カンボジア北西部に位置するシェムリアップ(Siem Reap)は、「アンコールワットの街」として世界中の旅行者に愛される観光都市です。
実際に足を運んでみると、歴史ある遺跡の荘厳さに圧倒される一方で、どこか素朴で温かみのあるローカルな雰囲気に感動しました。
シェムリアップとは
シェムリアップは、首都プノンペンから北西へ約300km、空港もありアクセスは比較的良好です。
観光業が盛んで、英語が通じる場所も多く、海外旅行初心者でも過ごしやすい印象を受けました。
中心部は徒歩圏内にナイトマーケットや飲食店が集中しており、コンパクトな街ながらも活気にあふれています。
バックパッカー向けのドミトリーから高級ホテルまで宿泊施設も豊富で、旅のスタイルに合わせた選択が可能です。
通貨は米ドルとカンボジアリエル(現地では1ドル=4,000リエル前後)で、どちらでも支払いができます。
ドル札は汚れていると受け取ってもらえない所と、全く確認しない所があります。
東南アジアらしいのんびりした雰囲気と、どこか懐かしい人懐っこさがあり、「また来たい」と思わせてくれる魅力があります。
シェムリアップへのアクセス
シェムリアップへ
現在、日本からシェムリアップへの直行便は運航されていないため、通常はバンコク(タイ)やホーチミン・ハノイ(ベトナム)、クアラルンプール(マレーシア)などを経由する乗り継ぎ便を利用します。
例えば以下のようなルートがあります:
- 成田/関空 → バンコク → シェムリアップ(合計:約8〜11時間)
- 成田/関空 → ホーチミン → シェムリアップ(合計:約9〜12時間)
- 成田/関空 → クアラルンプール → シェムリアップ(合計:約10〜13時間)
航空券はLCC(エアアジアやベトジェットなど)を活用すれば、往復で3〜5万円台で予約できることも。
日程に余裕がある人は、ストップオーバーしてバンコクなどを一緒に楽しむのもおすすめです。
市内での移動手段
シェムリアップ市内は比較的コンパクトなので、徒歩・自転車・トゥクトゥクを使えば効率よく移動できます。以下に主要な移動手段をまとめます。
トゥクトゥク
シェムリアップで最もポピュラーな交通手段。市内移動なら1〜3ドル、アンコール遺跡群までの往復で5〜10ドル程度が相場です。
交渉制なので乗る前に必ず料金確認を。1日チャーター(15〜20ドル)も可能で、遺跡巡りに便利です。
自転車
多くのゲストハウスやホテルで無料〜5ドル程度でレンタル可能。
遺跡群まではやや距離がありますが、現地の風を感じながら自由に動きたい人におすすめです。道路は舗装されており、比較的走りやすいです。
バイク(スクーター)レンタル
現地でレンタルする場合は1日10ドル前後が相場です。
パスポート預けが必要になる場合が多く、旅行保険の確認も忘れずにしておきましょう。運転には国際免許証が必要です。
アンコール遺跡群

アンコール遺跡群は、世界でも有名なカンボジアの遺跡群であり、その壮大さと歴史的な価値から、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
この遺跡群は、9世紀から15世紀にかけて栄えたアンコール王朝の遺物であり、その規模と美しさは圧倒的です。
アンコール・ワット(Angkor Wat)

アンコール・ワットは、アンコール遺跡群の中でも最も有名で、また最も保存状態の良い寺院です。
元々はヒンドゥー教の寺院として建てられましたが、後に仏教寺院へと変貌しました。
寺院の設計は宇宙観に基づいており、中央の塔は世界の中心を象徴しています。
広大な境内と壮麗な壁画、精緻な彫刻が特徴的で、観光客はその芸術的な価値にも圧倒さます。
実際に行ってみると、その広さと彫刻の緻密さに驚かされます。
寺院内の壁面にはラーマーヤナやマハーバーラタなど、古代神話が緻密に描かれており、あっという間に数時間が過ぎていました。
11時ごろからツアー客が増えてくるので、早めの時間に訪れるのがおすすめです。
バイヨン(Bayon)

バイヨン寺院は、アンコールトム(アンコールの最後の王都)の中心に位置し、その特徴は寺院内のたくさんの巨大な顔の彫刻です。
「微笑みの観音像」が四面に彫られた塔がいくつも立ち並ぶ幻想的な場所です。
これらの顔は、信仰の対象であった仏像が表現されたものと考えられています。
バイヨンの顔は、当時の王ジャヤヴァルマン7世を象徴しているとも言われ、強烈な印象を与えます。
タ・プローム(Ta Prohm)

タ・プロームは、他の遺跡とは少し異なり、自然と遺跡が一体化した姿が特徴的です。
巨大なガジュマルの根が石造りの遺跡を覆い尽くしており、その独特の景観が多くの映画や写真で取り上げられました。
かつては修道院として使用されていたそうで、神秘的な雰囲気が漂っています。
特に映画「トゥームレイダー」の撮影地として有名です。
その他の遺跡群
アンコール遺跡群は、アンコールワット、バイヨン、タ・プローム以外にも多くの遺跡があります。
たとえば、プレア・ビヒアやプノン・バケンなどの絶景ポイントや、未発掘の小さな寺院もあります。これらを訪れることで、アンコール遺跡群の多様な側面を見ることができます。
アクセス方法
市内中心部からアンコール遺跡群までは約6〜8km。移動手段は以下の3つがおすすめです。
- トゥクトゥク:片道3〜5ドル。1日チャーター(約15〜30ドル)も可能で、主要遺跡を効率よく巡れます。
- レンタル自転車:1日あたり5ドル前後。遺跡間の移動も多いため、体力に自信のある方向けです。
- レンタル電動バイク:より快適な移動が可能で、1日10-20ドル。パスポート預けが必要な場合も。
※アンコールパス(1日券37ドル〜)の事前購入が必須です。
市内から遺跡エリアへ向かう途中のチケットオフィスで購入します。
トンレサップ湖・水上村

東南アジア最大の湖、トンレサップ湖は、観光というよりも現地の人々のリアルな暮らしに触れられるスポットです。
水上村では、家がすべて船の上にあり、学校や商店まで湖上に浮かんでいます。

印象的だったのは、夕暮れ時に見た壮大な夕日。
空がオレンジから紫に変わっていく様子は、言葉を失うほど美しい風景が広がりました。
観光ボート20ドルとやや高めですが、見学・撮影含めて1〜2時間の価値ある体験です。
アクセス方法
シェムリアップ市内からトンレサップ湖までは約12〜15kmほど。
ボート乗り場があるクロコダイルファーム周辺までの移動が必要です。
- トゥクトゥク(往復チャーター):8〜12ドルが相場。交渉次第で値下げも可能。
- 現地ツアー参加:ホテル送迎+ガイド付きで20〜30ドル前後。安心して利用できます。
ボートは乗合制が多く、1人20ドルです。
時間や混雑具合に応じて出航するので、午後〜夕方に行くのがベストです。
アンコール国立博物館

遺跡を見る前に訪れるのがおすすめなのがアンコール国立博物館。
ここではクメール文化の成り立ちや宗教背景、当時の王朝の構造が体系的に展示されています。
入場料は12ドルで、音声ガイド(5ドル)もあり、解説を聞きながら回ることでアンコール遺跡の見方が格段に深まります。館内は空調も整っており、暑さから一休みするのにも最適です。
市内中心部から徒歩圏内(1〜1.5km程度)にあり、徒歩や自転車でもアクセス可能です。
パブストリート・ナイトマーケット

日が暮れると一気に活気づくのが、シェムリアップ中心部のパブストリート。
ライトアップされた看板が印象的で、レストランやバー、屋台がずらりと並びます。
1ドルビールや、激安のクメール料理、さらには欧米風のピザやメキシカンまで揃っており、旅の夜を賑やかに過ごせます。
近くのナイトマーケットではローカル雑貨や衣類、アクセサリーが豊富に売られていて、お土産探しにも最適。
交渉次第で価格がかなり下がることもあるので、ちょっとした駆け引きも旅の楽しみのひとつです。
カンボジア料理


カンボジア料理は、タイやベトナムほどスパイシーではなく、優しい味付けが特徴的。
屋台や食堂でも衛生状態が比較的良く、食あたりしにくい印象でした。
- アモック:白身魚をココナッツミルクとカレーで蒸した伝統料理。葉っぱに包まれて提供されるスタイルが可愛い。
- ロックラック:甘辛の牛肉炒めで、白ご飯との相性抜群。目玉焼きをトッピングしてくれる店も。
- 屋台メシ:焼き鳥、串焼き、チャーハン、クイティウ(米麺スープ)など、どれも1〜2ドルでお腹いっぱいに。
ローカル屋台での食事は特に楽しく、思わぬ発見があるのも旅の醍醐味です。
宿泊した宿


シェムリアップで泊まったのはThe Twizt – Lifestyle Hostelです。
4人部屋のドミトリーに4泊5日で$23.52でした。
大きなホステルでルーフトップにはプールとバーが、グランドフロアにはカフェがあります。
バスルームも複数あり、掃除も行き届いていました。
また、こちらに宿泊する際には、近くにあるランドリーLaundry Automatic Vanny SRがおすすめです。
洗濯$1.5、乾燥$1.5、洗剤$0.5の計$3.5でスタッフさんが洗濯をしてくださいます。
1時間後には受け取り可能で、綺麗に畳んで袋詰めまでされていました。
注意点
- 熱中症・日焼け対策:帽子、サングラス、日焼け止め、水の持参は必須です。
- 客引きと価格交渉:トゥクトゥクやツアーの料金は必ず事前確認を。最初はふっかけられることもあります。
- 貴重品管理:混雑するナイトマーケットや観光地ではスリに要注意。首掛けポーチやウエストポーチがおすすめです。
- 水は絶対ミネラルウォーター:歯磨きやうがいもペットボトル水を使用するのが安心です。
- チップ文化:基本的に義務ではありませんが、マッサージやガイドには1〜2ドル程度渡すと好印象です。
まとめ
シェムリアップは、アンコール遺跡群という圧倒的な歴史遺産をはじめ、湖上の暮らし、美味しいローカルフード、にぎやかな夜のマーケットなど、コンパクトな街の中にたくさんの魅力が凝縮された場所です。
物価も安く、英語も通じやすい。東南アジアらしい熱気や素朴さを感じながら、心にも記憶にも残る旅ができました。